人工的なスケールとは?

メジャースケールなどは倍音から導いたものであり、そういう意味で自然発生的なスケールである。これに対して、1オクターブ12音を均等に割るなどして作られたスケールを人工的なスケールと呼ぶ。

均等に割って得られるスケール

1オクターブは12音から成るので、この12の約数であれば割ったときに余りが出ない。つまり、1,2,3,4,6,12で割ることが考えられる。

  • 1で割ると12音すべてになる。これは半音階(chromatic scale)と呼ばれる。
  • 2で割ると6音になる。半音2個(全音)ずつなので、これは全音音階(whole tone scale)と呼ばれる。
  • 3で割ると4音になる。半音3個(短三度)ずつ。これはscaleとしての名前はない(?)が、減七の和音(Diminished seventh chord)である。以下ではこれをスケールの名前として使う。
  • 4で割ると3音になる。半音4個(長三度)ずつ。これもscaleとしての名前はない(?)が、増三和音(Augmented triad)である。以下ではこれをスケールの名前として使う。
  • 6で割ると2音になる。半音6個(増4度)。これだと単なる音程であり、面白みがないのでスケールとはみなさない。
  • 12で割ると1音になる。これは単音なのでこれもスケールとはみなさない。

音程の堆積によるスケール

全音音階を割り算として得られたと見るのではなく、基音から全音ずつ上行したものとみなすことも出来る。

そう考えると、

  • 半音の堆積は半音階
  • 全音の堆積は全音音階
  • 短三度の堆積は減七の和音
  • 長三度の堆積は増三和音

のように考えることが出来る。

こうして見ると、さきほどの割り算では出てこなかった堆積方法がある。

  • 完全4度(半音5個)
  • 完全5度(半音7個)
  • 短6度(半音8個)
  • 長6度(半音9個)
  • 短7度(半音10個)
  • 長7度(半音11個)

ところがこれらのうち、例えば長7度上は、短二度下(半音下)と同じ音(オクターブの違いを無視すれば)なので、半音による堆積と同じであり、半音階が得られる。同じ理屈で短7度は全音音階、長6度は減七の和音、短6度は増三和音が得られる。

残るは完全4度と完全5度だけである。これらの堆積は五度圏を一周する。

すべての音が出現するからと言ってそのscaleが使い道がない、つまらないという結論にはならないことに注意して欲しい。完全4度堆積で3つ目までの音で打ち切った和音を考えるとX sus4 7の響きが得られるし、完全5度堆積で3つ目までの音で打ち切った和音を考えるとX add9(長三度は省略されている)の響きが得られる。

また、完全5度は、基音との周波数比は2:3(に極めて近い)なので、倍音列(3倍音)から導かれたものであるから、そういう意味では、完全5度堆積は人工的なスケールとは言えない。完全4度堆積も完全5度堆積を対称にしたものであるから(完全4度上=完全5度下なので)、これも人工的なスケールとは言いがたい。

Symmetric scale

結局のところ、1オクターブ12音から12の約数での割り算で得られたスケール(半音階、全音音階、減七の和音、増三和音)のみが人工的なスケールという扱いになる。これらは12音を均等に割っているので、対称性がある。これらのスケールに加えて、増4度(トライトーン:tritone)も加え、Symmetric scaleと呼ぶ。

また12音を円状に配置すると次のようになる。

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c5/Symmetric.svg

派生スケール

ここまでで、半音階、全音音階、減七の和音、増三和音が得られた。半音階はすべての音が出現しているので、これを除き、代わりにトライトーン(増4度)を含めて、これらのスケールをさらに細分化することによりスケールを派生させることを考えよう。

Octatonic scale

通常、1オクターブはC major scaleであればドレミファソラシのように7音から構成される。人工的なスケールは7音構成にはならない。12をどのような数で割っても7にはならないし、12の約数を定数倍しても7にはならないからである。

8音から構成されたスケールをOctatonic scaleと呼ぶが、12から8を導くのは、12の約数である4を2倍してやればいけそうだ。つまり、12を4で割ったscaleである減七の和音(例: ド・ミ♭、ソ♭、ラ)をさらに細かく割ってやれば良い。減七の和音は短三度で構成されており、短三度は半音3個である。半音3個を2つに分けるには半音1個+半音2個(=全音)、あるいは、半音2個(=全音)+半音1個のようにするしかない。それぞれの短三度を、このどちらかのように分ける。

1) 半音+全音で分けた場合、半音+全音が交互に繰り返されるscaleになる。これを日本ではcombination of diminished scale(通称コンディミ)と呼ぶが、どうもこの用語は海外では通じないようである。 2) 全音+半音で分けた場合、全音+半音が交互に繰り返されるscaleになる。これはJazz理論ではdiminished scaleと呼ばれる。

また、普通、Jazz理論ではoctatonic scaleと呼ぶと、octationc scaleの代表格である、このコンディミとdiminished scaleのことを併せて指すようである。

あるいは、コンディミは、海外ではhalf-whole diminished scaleと呼ばれ、diminished scaleのほうはwhole-half diminished scaleのように呼ばれることがある。(あまり定着している呼び方でもないようで検索してもあまりヒットしない)

かきかけ

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Last-modified: 2014-12-21 (日) 12:33:43 (1814d)